「自己保身社会」の現実

人と比べることで心の中に巣くう“羨望という毒”

片田珠美・精神科医
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<処方箋編>

 「不公平だ」という感覚は、自分の人生を他人の人生と比較することによって生まれる。他人と比較することによってしか自分の“幸福度”を実感できず、華やかで楽しそうにしている誰かと自分を比べては、自分は“負け組”なのではないかとめげてしまう。

 こういうことを繰り返していると、被害者意識と怒りが強くなる。何よりも、羨望(せんぼう)という毒が心の中に巣くうようになる。

 羨望は、他人と自分を比較するからこそ生まれる。他人と比較することによってしか自分の価値や幸福を実感…

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片田珠美

精神科医

 広島県生まれ。大阪大学医学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学精神分析学部で学ぶ。精神科医として臨床に携わり、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から研究している。「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)、「高学歴モンスター」(小学館新書)など著書多数。