辻野晃一郎の「世界と闘え」

「GAFAは暴走しているか」政府に求められる対応と姿勢

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
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 GAFA(米グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム)に対する脅威論や批判が世界的に盛り上がり、各国で規制の機運が高まっている。GDPR(一般データ保護規則)など、欧州ではGAFA規制の動きが先行しているが、お膝元の米国でも、次期大統領選に出馬表明した民主党議員が“GAFA解体論”を持ち出している。日本でも、自民党の競争政策調査会や公正取引委員会が中心となってGAFAなどのプラットフォーマーを規制する動きが加速している。今回は、GAFA規制に対する筆者の見解を述べる。

 GAFAの時価総額合計は400兆円に迫る勢いだ。日本の国家予算の4倍近く、英国の国内総生産(GDP)をはるかに超える規模だ。2018年の科学技術分野における研究開発費でも、GAFAとマイクロソフトの研究開発予算総額は、米国政府の軍事を除いた研究開発予算約8兆円を上回っている。今や、GAFAは本来国家が担うべき役割を肩代わりし、人類全体のR&D(研究開発)センター的な役割を果たす存在といっても過言ではない。

 GAFA規制の論点をざっくり整理すると、個人データの保護や利用に関するもの▽それに絡むデータ課金やデータ配当金に関するもの▽独禁法上の優越的地位の乱用に関するもの▽租税回避に関するもの──といったところだろう。

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辻野晃一郎

アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。