経済記者「一線リポート」

大規模緩和6年「引くに引けない」日銀の“思考停止”

坂井隆之・毎日新聞経済部副部長(前ロンドン特派員)
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衆院財務金融委員会で答弁する日銀の黒田東彦総裁=2019年4月16日、川田雅浩撮影
衆院財務金融委員会で答弁する日銀の黒田東彦総裁=2019年4月16日、川田雅浩撮影

 日銀の閉塞(へいそく)感が、一段と強まっている。6年にわたる大規模金融緩和でも物価が上向かない一方で、地銀の収益悪化など、副作用は膨らむばかりだ。それでも「手を緩めれば円高・株安を招く」という恐怖心から、引くに引けない袋小路に陥っている。これ以上傷口を広げずにどうやって撤退するのか、政府も日銀も、真剣に考えるべき時に来ている。

 「じゃあ円高になってもいいわけ?」。今年初めに、日銀幹部と議論した時のこと。「いまの日銀の金融緩和…

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坂井隆之

毎日新聞経済部副部長(前ロンドン特派員)

1973年、京都市生まれ。広島大学大学院修了。98年毎日新聞社入社。千葉支局を経て、2003年から経済部で日銀、金融庁、財務省などを担当。12年~16年、欧州総局(ロンドン)特派員として、欧州、中東、ロシア、アフリカの経済ニュースをカバーした。共著に「AIが変えるお金の未来」(文春新書)など。