高齢化時代の相続税対策

「全財産を君に」夫の遺言に従った妻に生じた“課税”

広田龍介・税理士
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 Aさんが亡くなり相続が起きた。法定相続人は妻のB子さんと、Aさんと前妻との間の長男の2人だ。

「遺留分を侵害」書面で求めた前妻の子

 Aさんは「すべての財産を妻B子に遺贈する」という公正証書の遺言を残していた。B子さんはこの遺言通り「全財産を遺贈で取得した」として、相続税の申告を行った。

 相続税では、配偶者の税額を軽減する特例がある。1億6000万円か法定相続分(遺産の取り分)相当額の多い方まで相続税がかからない「配偶者の税額軽減の特例」や、亡くなった人の宅地を配偶者が相続すれば土地評価額が8割減る「小規模宅地等の特例」だ。B子さんは、これらの適用を受け、相続税は納付せずに済んだ。

 ところが、話はそれで済まなかった。たとえ遺書があったとしても、法定相続人には、最低限保証された相続…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。