藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

モロッコ・タンジェの旧市街とカスバから見た地中海

藻谷浩介・地域エコノミスト
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タンジェ旧市街の一角で洗濯物を干す女性。海の向こうに欧州が見える(写真は筆者撮影)
タンジェ旧市街の一角で洗濯物を干す女性。海の向こうに欧州が見える(写真は筆者撮影)

 スペイン最南端のタリファの港から、高速フェリーで1時間少々。ジブラルタル海峡を渡って、人口100万人近いモロッコ第2の大都市タンジェの旧港についた。船着き場の目の前の低い丘は、中世さながらの旧市街となっている。モロッコ名物の、案内を買って出るおじさんや少年たちをかいくぐり、小路の入り組む迷宮にさまよい込む。

 筆者は地図を読むのが好きなのだが、それすら無理なほど、旧市街の道は入り組んでいた。道幅が狭く曲がりくねっているうえに、随所に家の下をくぐり抜けるアーチがあるため、これを地図に正確に表現することは難しそうである。すぐに方向感覚を失ったが、どう歩いても何とかなるのが、コンパクトな旧市街の魅力でもある。

 イスラム教国の旧市街を歩くのは、前年訪れたアゼルバイジャンの首都バクー以来だが(当連載2017年6月19日~7月3日)、あちらが茶色い町だったのに対し、こちらは白と青に塗られた壁が新鮮だ。あくまでも明るい地中海の風光に影響されているのか。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。