
1カ月あまり前ですが、「自動運転」の未来に疑問を投げかける2本の新聞記事を見かけて新鮮な驚きを感じました。それまで、「快適で安全な移動をもたらす自動運転車は着実に実現に近づいている」というトーンの報道ばかりを目にしていたからです。
手動への切り替えは容易でない
1本は、日経新聞4月5日朝刊に転載された英フィナンシャル・タイムズのコラム。次のような記述があります。
「自動運転システムの車を警戒感もなく不用意な人が運転している場合、問題が起こりそうになった時、その人物がすぐに運転を引き継ぐことはかなり難しいだろう。単調な運転が長時間続いた後、突然、急ブレーキを踏まなければならないような事態を考えたら、いかに恐ろしいか」
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位川一郎
毎日新聞紙面審査委員
1957年広島県生まれ。東京大経卒。81年埼玉新聞社入社。88年毎日新聞社入社。水戸支局、経済部、総合メディア事業局、地方部などを経て、2004~10年経済部編集委員。国土交通省、農水省、総務省などを担当し、ライブドア騒動、米国産牛肉の輸入再開、公共事業問題などを取材。13年から現職。