
A子さん(29)は、新卒入社後6年間勤務した会社を辞め、地方の親元に帰って、小さな会社に転職しました。そこで、以前の会社との年次有給休暇の取り扱いの違いに驚くことになりました。
入社後すぐに有休は使えない?
A子さんは、以前の会社では上司や同僚との関係がうまくいかず、体調を崩して休職も経験しました。新しい会社に入社した時は体調が回復途上でしたが、3カ月間の試用期間中は無遅刻無欠勤で出勤できました。
しかしその後、本採用となって安心したからか、体調を少し崩しました。無理をして以前のように休職することを恐れ、1日の休暇をもらうために会社に連絡しました。すると管理部の責任者に「有休がまだないので、欠勤扱いにしますね」と言われました。
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井寄奈美
特定社会保険労務士
大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/