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東芝の後は千代田化工!?「海外プラント」の落とし穴

今沢真・経済プレミア編集部
決算説明の記者会見にのぞむ千代田化工建設の経営陣=東京都内で2019年5月9日、今沢真撮影
決算説明の記者会見にのぞむ千代田化工建設の経営陣=東京都内で2019年5月9日、今沢真撮影

 千代田化工建設という東証1部上場の企業がある。製油所や液化天然ガス(LNG)施設の建設といったBtoB(企業間)取引が専門だ。消費者にはなじみは薄いが、プラント業界2位の大手だ。その会社が海外プラント建設で2000億円規模の損失を発生させ、債務超過に陥った。三菱商事の支援を受けるというが、何があったのか。

 同社は2014年、米ルイジアナ州のLNGプラント建設事業を米企業CB&I社と共同で約6000億円で受注した。3系列の天然ガス液化施設を作りLNGを日本やアジアに輸出する計画で、現在は第1系列の工事が終盤にさしかかっている。その工事で人件費が高騰し、工費が大幅に拡大したのが巨額損失の主因だという。

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。