
銀行業界を取材していると、まだまだ「保守的な業界だな」と感じることが多い。近年は市場縮小への危機感から変革の必要性が叫ばれているものの、身についたリスク回避の姿勢はなかなか抜けないのが実情だ。巨大IT企業との競争も予想される中、どこまで大胆な意識改革をできるかが、生き残りの可否を決めると感じている。
「やっぱり体育会系ですよ」。先日、ある大手銀行役員と雑談していて、思わず脱力してしまった。「これまでの銀行員の発想では生き残れない」と力説するこの役員に、「では、最近どんな人材の採用に力を入れているのか」と尋ねたところ、冒頭の答えが返ってきたためだ。
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坂井隆之
統合デジタル取材センター副部長(元ロンドン特派員)
1972年、京都市生まれ。広島大学大学院修了。98年毎日新聞社入社。千葉支局を経て、2003年から経済部で日銀、金融庁、財務省などを担当。12年~16年、欧州総局(ロンドン)特派員として、欧州、中東、ロシア、アフリカの経済ニュースをカバーした。20年4月から現職。共著に「AIが変えるお金の未来」(文春新書)など。