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資産寿命を延ばす?「投資」を国に指示される違和感

位川一郎・毎日新聞紙面審査委員
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 朝日新聞が5月23日朝刊1面トップに、「人生100年 蓄えは万全? 『資産寿命』国が世代別に指針」という記事を載せました。人生100年時代に向け、老後の蓄えを長く維持するための指針案を金融庁がまとめた、というニュースです。私もリタイアまでそう長くない年齢。面白そうだと思って読み始めましたが、しだいに「そんなことを国に言われる筋合いはない」と不快になってきました。

 記事によると、金融庁は「高齢社会における資産形成・管理」と題する報告書案を金融審議会で示しました。老後の蓄えが尽きるまでの「資産寿命」を延ばすために、▽現役期は長期・分散・積み立て投資をする▽長く働いて資産形成の期間を延ばす▽退職後は資産を計画的に取り崩す--ことを呼びかけているといいます。

 不快感の原因の第1は、報告書案が老後の生活費について「かつてのモデルは成り立たなくなっている」と国民に「自助」を求めた点です。

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位川一郎

毎日新聞紙面審査委員

 1957年広島県生まれ。東京大経卒。81年埼玉新聞社入社。88年毎日新聞社入社。水戸支局、経済部、総合メディア事業局、地方部などを経て、2004~10年経済部編集委員。国土交通省、農水省、総務省などを担当し、ライブドア騒動、米国産牛肉の輸入再開、公共事業問題などを取材。13年から現職。