
バングラデシュ・ダッカ編(1)
「あの町にはとうてい歯が立たなかった」という思いが脳裏によみがえる。空港に着くまでなら、他国と変わりはない。しかし、そこから広大なダッカの市街地を動き回る難しさは、他の都市では経験したことのないものだった。治安はいい。住民は必死に働いている。しかし観光客の姿はほとんど見かけない、混沌(こんとん)の大都市の実態。
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藻谷浩介
地域エコノミスト
1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。