藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

バングラデシュ・ダッカ 喧騒の大都市で渋滞にはまる

藻谷浩介・地域エコノミスト
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どこもかしこも渋滞のダッカ。混沌の国情を象徴する光景(写真は筆者撮影)
どこもかしこも渋滞のダッカ。混沌の国情を象徴する光景(写真は筆者撮影)

 「あの町にはとうてい歯が立たなかった」という思いが脳裏によみがえる。空港に着くまでなら、他国と変わりはない。しかし、そこから広大なダッカの市街地を動き回る難しさは、他の都市では経験したことのないものだった。治安はいい。住民は必死に働いている。しかし観光客の姿はほとんど見かけない、混沌(こんとん)の大都市の実態。

 2016年1月。シンガポールに講演に出向いた筆者は、その翌朝、バングラデシュのダッカに向かった。まずバンコク行きのタイ航空機で2時間20分。巨大なスワンナプーム国際空港で乗り換えて、ダッカまではさらに3時間弱。日本からバンコク経由で向かえば、正味10時間の移動ということになる。シンガポールとは時差が2時間(日本からは3時間)、到着したのはまだ昼の1時前だった。

 バングラデシュやインドに入国するには、日本人でもビザが必要だ。事前に東京の大使館で取得していたのだが、入国審査を通過するのには30分少々を要した。到着ロビーのATM(現金自動受払機)で、現地通貨タカを3000円ほど入手する。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。