ニッポン金融ウラの裏

野村証券「情報漏洩事件」が再考させた市場の原理原則

浪川攻・金融ジャーナリスト
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野村証券(2019年4月15日、曽根田和久撮影)
野村証券(2019年4月15日、曽根田和久撮影)

 野村グループによる、東京証券取引所の株式市場区分の見直しを巡る情報漏洩(ろうえい)事件は、金融庁が5月28日、野村証券と野村ホールディングスに対する業務改善命令を出し、大きな山場を迎えた。野村グループは改善計画の策定、その実行によって信頼性の回復に全力を傾けることになる。

根拠法に抵触していないが下した処分

 この問題に関して、やや違った観点からとらえてみたい。それは「ルール」と「プリンシプル(原理原則)」の関係である。

 いうまでもなく、資本市場は実用主義の世界であり、そこに巨額の資金が投ぜられる貪欲さが渦巻く世界でも…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。