職場のストレス・マネジメント術

強すぎる「自尊心」ゆえに謝罪ができない困った人

舟木彩乃・心理カウンセラー
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 今回は、自分のキャラクターに対する過剰な自信のため、取引先を怒らせた西川さん(仮名、男性20代後半)の事例についてお話します。

 西川さんはメーカーの法人営業部に勤務しています。外向的で話し好き、流行に敏感で好奇心旺盛な性格が営業の仕事にもプラスに働き、ある大口取引先のキーマンから可愛がられ、釣りやゴルフも一緒に楽しむほどの仲になっていました。

 しかし上司であるA課長は、西川さんの取引先に対するフランク過ぎる言葉遣い、奇抜な色のメガネフレームや靴下などが、日ごろから気になっていました。にもかかわらず彼に注意しなかったのは、それが彼の“キャラ”として取引先に受け入れられ、かえって良好な関係を築けているとも思われたためでした。

 ところがある日、西川さんのミスにより、取引先に大きな迷惑をかけてしまいました。A課長は西川さんに、先方にすぐ出向いて謝罪をするよう指示しました。問題は解決したのかと思いきや、しばらくして、取引先から再度のクレームと「担当を代えてほしい」という連絡が入りました。

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舟木彩乃

心理カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談に対応。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。