サイバー攻撃の脅威

サイバー空間で激突する米・イラン「報復合戦」

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
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 米国とイランとの緊張が高まっている。4月に米国がイラン産原油の全面禁輸を決め、5月には原油輸送の大動脈・ホルムズ海峡付近で、サウジアラビアの石油タンカーがイランからと見られる攻撃を受けた。この攻撃後、米空母と爆撃部隊が中東に派遣された。

 サイバー空間では米国とイランの緊張関係はずっと前から高まっている。米国政府は、世界にはサイバー攻撃を行っている国が30カ国以上あると見ており、中国、ロシア、北朝鮮、イランの4カ国を名指ししている。

 サイバー攻撃と一言で言っても、さまざまな種類がある。個人情報や最新の技術情報を企業から盗むスパイ活動のほか、工場の運用停止など業務妨害を引き起こす攻撃もある。

 イランの米国に対する初期のサイバー攻撃で知られているものは、金融機関への大規模なDDoS(ディードス)攻撃である。DDoS攻撃とは、サーバーやウェブサイトに大量のデータを送りつけることでダウンさせるものだ。

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松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。