
バングラデシュ・ダッカ編(2)
そこもかしこも渋滞に埋まる混沌(こんとん)の大都市、バングラデシュの首都ダッカ。タクシーに1時間半近く乗った末、目指したのとはまったく方向の違う場所で、進まない車に見切りをつけて降りた筆者。ここはいったいどこなのか。
地図とにらめっこして現在位置を探る
ダッカ訪問から3年以上を経た今なら、バングラデシュでも、携帯電話のデータ定額サービスが使える。スマホで現在位置やホテルまでの距離を調べるのは容易だ。だが訪問当時(2016年1月)に回線利用で同じことをすれば、数万円の電話料金請求書がきただろう。
現在位置がわからずとも、タクシーをつかまえれば行きたいところに行けるが、見渡す限り空車のタクシーや三輪タクシーはおらず、たむろするリキシャ(客席を引く自転車)と交渉する意欲はわかなかった。
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藻谷浩介
地域エコノミスト
1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。