藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

「カナダ・オタワ」地味な首都を好奇心だけで訪れた

藻谷浩介・地域エコノミスト
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オタワ市街地を南北に貫くリドー運河(写真は筆者撮影)
オタワ市街地を南北に貫くリドー運河(写真は筆者撮影)

 「欧米では……」と言うとき、我々はカナダとオーストラリアを含めて考えているだろうか。どちらも英連邦。面積なら両国で世界の陸地の8分の1ほどを占めるが、人口は合わせても英国1国程度なので、ついつい忘れられがちだ。しかし両国は天然資源に恵まれた平和な連邦国家で、日本との経済関係も深い。国内2大都市の綱引きの結果、その中間の小さな町に首都があるのも共通だ。そのマイナーな両首都に立って考えた、欧とも米とも少し違うこの国々の成り立ち。

 日本人なら誰でも知っているカナダ。しかしその首都オタワは知られていない。実際に行ったことのある人はもっと少ないだろう。どんな場所なのだろう?という単純な好奇心だけで、ニューヨークからの帰路に立ち寄ってみた。

 2016年10月。ニューヨークのラガーディア空港から、1日2往復しかないエアカナダのオタワ行きに乗った。ちなみに同じ空港から、カナダ最大の都市トロントには1日二十数往復、第2の都市モントリオールには十数往復が飛んでいるので、両都市に比べたオタワのマイナーさは歴然だ。都市圏人口で比べると、ニューヨークが京阪神、トロントが名古屋、モントリオールが札幌、オタワが新潟に該当するが、それぞれの存在感もちょ…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。