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検査不正を知り「空売り」神鋼社員の悪質インサイダー

今沢真・経済プレミア編集部
神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区で2018年6月5日、幾島健太郎撮影
神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区で2018年6月5日、幾島健太郎撮影

 2017年10月に発覚した神戸製鋼所の品質データ改ざん問題で、同社が不正を公表する直前、社員2人が自社株を売り抜けたことが証券取引等監視委員会の調査でわかった。同委員会は6月21日、金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで課徴金を納付させるよう金融庁に勧告した。いったいどんな株取引だったのか。

 神戸製鋼がデータ改ざんの不正を公表したのは17年10月上旬の3連休の真ん中、8日の日曜日だった。アルミ・銅事業部門で製品を出荷する前の検査で、出荷先との取り決めを外れたデータを改ざんしたり、検査していなかったのに検査したと偽装したりしていたという内容だった。

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。