名家のルーツ

創業650年「饅頭の元祖」塩瀬総本家の“弟子相伝”

森岡浩・姓氏研究家
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塩瀬総本家の本店=東京都中央区で2019年6月19日、田中学撮影
塩瀬総本家の本店=東京都中央区で2019年6月19日、田中学撮影

 日本の老舗には和菓子の店が多い。江戸時代の大名や旗本など、上流階級では進物として和菓子は欠かせないもので、こうした御用を承るのが各地の和菓子商だったからだ。

 和菓子を代表するものの一つが饅頭(まんじゅう)である。日本の饅頭の歴史は室町時代までさかのぼる。約650年に及ぶ饅頭の歴史を現在に伝えているのが、東京の饅頭店・塩瀬総本家だ。同店は長く塩瀬家が継いできたが、紆余(うよ)曲折を経て、現在は川島家がその伝統を守り続けている。

 明治維新の際、幕府や大名など政権と結びついていた大規模な政商の多くは取引先の消滅や売掛金の未回収で…

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森岡浩

姓氏研究家

1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。