人生100年時代のライフ&マネー

金融庁報告書「2000万円」はおかしな数字なのか?

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 資産形成に関する金融庁報告書をきっかけに「年金不安」をめぐる議論が沸騰している。「老後資金が2000万円不足」という記述が批判を浴び、麻生太郎金融相は受け取り拒否という異例の対応に出た。政府は報告書を葬り去りたい考えだが、現役時代から老後の蓄えが重要であることはゆるぎない。報告書をたたき台に老後資金のあり方について考える。

 報告書は金融庁の金融審議会の市場ワーキンググループ(WG)が作成、6月3日公表した。問題とされたのは、高齢夫婦無職世帯について「毎月の不足額の平均は約5万円であり、不足額の総額は単純計算で1300万~2000万円」とした箇所だ。

 これが「2000万円なんて無理」とネットで炎上し、メディアでも格好のネタになった。国会で追及された安倍晋三首相は「乱暴な議論」と切り捨て、金融庁は「意味のない数字を掲げミスリードした」と謝罪した。政府は火消しに懸命だ。

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。