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2000万円不足?国民年金だけならもっと足りない

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 「老後2000万円不足」を示した金融庁報告書が波紋を広げている。高齢夫婦の平均像をモデルケースとして示したが、その数字が「老後不安」を高めることになった。ただし、自営業者やパートの人などが加入する国民年金の年金額はこのモデルケースをかなり下回る。報告書は国民年金加入者の「老後の厳しさ」を改めて浮き彫りにした。

 「2000万円」の根拠は総務省「家計調査」の「高齢夫婦無職世帯」のデータ。毎月の収入から支出を引いた「不足分」が2017年で平均約5万5000円あり、その30年分を計算した。ただし、この高齢夫婦無職世帯のモデルケースの年金収入は月約19万2000円。国民年金では満額でも夫婦2人で月13万円にとどまり、大きな開きがある。

 これは、公的年金制度が2階建て構造になっているためだ。20~59歳のすべての人が「1階」の国民年金(基礎年金)に加入し、会社員はそれに上乗せした「2階」の厚生年金に加入する仕組みだ。自営業者やパートの人などは「1階」の国民年金だけに加入し、定額の保険料(今年度は月1万6410円)を納める。年金額は40年間納めた満額で月約6万5000円。未納期間があれば減るため、受給者の平均は月5万5615円だ。

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。