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人前で話すのが恐怖の「社交不安症」社員をどうするか

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
 
 

 今回は「社交不安症」という病気で困っている入社2年目の社員の事例についてお話しします。

 安藤さん(仮名、20代前半・女性)は、不動産会社のマーケティング部に所属する入社2年目の社員です。この会社では、一つの物件につき、営業、建築、法務、マーケティング、デザインチームなどそれぞれの部署から社員1~2人が選ばれ担当者となり、物件ごとにチームを作って仕事をしています。1物件のチームは平均10人程度です。

 マーケティング部の普段の仕事はデータ調査や入力などの地味な作業がほとんどで、安藤さんの性(しょう)に合っており、周囲の評判も上々でした。これまで安藤さんはマーケティング部から物件のチームに入る時も上司の補佐役としての「サブ担当」として入っていました。

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産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。