熊野英生の「けいざい新発見」

年金問題「自助・自己責任」あおっても解決はしない

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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 明治時代に大ヒットした著作に「西国立志編」というイギリスの作家の作品がある。300人以上の立志伝中の人々がどのようにして人生の成功を得たかという話を書き連ねたものだ。

 筆者は、高校の日本史でその書名を暗記した覚えがある。社会人になって読むと、約150年前の本なのに何ともおもしろい。テーマは「天は自ら助くる者を助く」、つまり努力は必ず報われるという「自助」の精神を説いている。「西国立志編」の原題は「Self Help」(「自助論」)で、そもそも自助のことが書いてあるのである。

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。