嫉妬をとめられない人

同性ライバルの台頭に「妨害工作」昭和の女流作家の話

片田珠美・精神科医
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雨の日の林芙美子像=広島県尾道市で2008年9月24日、手塚さや香撮影
雨の日の林芙美子像=広島県尾道市で2008年9月24日、手塚さや香撮影

 女性は女性をライバル視するし、男性は男性を敵視する傾向が強い。もちろん男性が女性に、女性が男性に嫉妬心を抱くこともあるが、一般的な傾向として、異性よりも同性の行為のほうが気に障るようだ。

 それは、本来は自分が所有するはずだったものを奪われたという怒り、または奪われるかもしれないという危機感が嫉妬のもとになっているからである。

 たとえば、昭和初期に活躍した女流作家の林芙美子(1903~51年)は、他の女流作家に仕事をさせない…

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片田珠美

精神科医

 広島県生まれ。大阪大学医学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学精神分析学部で学ぶ。精神科医として臨床に携わり、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から研究している。「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)、「高学歴モンスター」(小学館新書)など著書多数。