嫉妬をとめられない人

「幸せ奪われてなるものか」お局様が燃やした嫉妬の炎

片田珠美・精神科医
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 女性同士の場合はとくに、相手の容貌や若さなども嫉妬の種になることが多い。もちろん男性にも容貌に対するコンプレックスを強く感じる人はおり、女性特有のものとは断言できないが、女性の場合はとくに若さが重要な武器となることもあるため、羨望(せんぼう)や嫉妬の大きな一因となる。

 若手に自分の大事なポジションが奪われるかもしれないと感じたら、「奪われてなるものか」と嫉妬の炎を燃え上がらせたとしても不思議ではない。

 以前、私の診察室に来た20代の女性Cさんも、いわゆるお局(つぼね)様からの嫌がらせに悩んでいたが、その背景には女性同士ゆえの嫉妬があったようだ。

 中小企業に勤めるCさんは、社長がある賞を受賞したことを祝うパーティーで、社長の親族のテーブルに着くことになった。Cさんは本来なら若手社員の席に座るはずだったが、椅子の数が合わず、席が余っている親族席に座ることになってしまった。もともとCさんが社長に気に入られていたということもあったようだが、式の間じゅう彼女はずっとこんな席は緊張するから早く終わってほしいものだと思っていた。

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片田珠美

精神科医

 広島県生まれ。大阪大学医学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学精神分析学部で学ぶ。精神科医として臨床に携わり、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から研究している。「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)、「高学歴モンスター」(小学館新書)など著書多数。