藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

東欧の辺境「ブルガリア・ソフィア」意外にも西欧風

藻谷浩介・地域エコノミスト
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標高550メートルの盆地にあるソフィアの街(写真は筆者撮影)
標高550メートルの盆地にあるソフィアの街(写真は筆者撮影)

 欧州連合(EU)圏の東端、黒海西岸に位置するブルガリアとルーマニア。東西冷戦時代には行きにくい国々だった。今はビザなしで行けるが、あまり名前を聞く国ではない。その北にあるモルドバとなると、国の存在自体も知られていない感じだ。今回からこの3国を書く。訪問は2014年と少々旧聞になるが、その際に瞥見(べっけん)した欧州の東の辺境の実態。

 8月初旬、日曜の夜9時半(14年)。ブルガリアの首都ソフィア。ベルリンの壁崩壊から25年、五木寛之の小説「ソフィアの秋」がブームとなってから45年をへてようやく立ち寄った。

 空港から、寡黙な執事風の男の運転するタクシーに乗り、旧市街地真ん中の小ぶりなホテルに着く。この日の夕方まで歩いていたトルコのイスタンブールの街頭は喧噪(けんそう)そのものだったが、そこから飛行機で1時間少々の小都会ソフィアは、イメージ通りにシックに、静かに、そして物悲しくたたずんでいた。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。