地域活性化の挑戦者たち

下請け印刷会社が「シェアオフィス開業」で得た開発力

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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シェアオフィスを利用するクリエーターらと打ち合わせをする有薗悦克さん=筆者提供
シェアオフィスを利用するクリエーターらと打ち合わせをする有薗悦克さん=筆者提供

 東京都墨田区に2015年に開業したクリエーター専用のシェアオフィスで、クリエーターと町工場が連携し、新商品が次々と生まれている。このシェアオフィス「co-lab墨田亀沢:re-printing」を運営するのが、1967年に墨田区で創業した印刷会社サンコーだ。同社3代目の有薗悦克(よしかつ)社長(44)が家業の窮地を乗り切るために始めた。

 墨田区はもともと町工場が多く、「ものづくり」の文化が息づいているが、商品デザインなどを手がけるクリエーターは少なかった。だが現在、JR錦糸町駅から北西に徒歩10分ほどの「co-lab墨田亀沢」を基点に、「100通りのデザイン歯ブラシ」や、1枚ずつ絵柄が異なる「世界でたった1枚の名刺」といった新商品が生まれている。

 シェアオフィスを拠点にするプロダクトデザイナーと区内の皮革メーカーが共同開発した「洗える楽しむバブーシュ」は、東京産の豚革をなめして作られたハンドメードの洗える室内履きだ。現在、生産が追いつかないほど人気があるという。

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。