シニア市場の正体

シニア女性がQR決済に尻込みする“二つのハードル”

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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 私が所属する「ハルメク 生きかた上手研究所」は今年3月末、55~79歳の女性230人に「キャッシュレス決済に関するアンケート」をウェブ上で行いました。クレジットカード、VISAなどのブランドがついたプリペイドカード、Suicaなどの電子マネー、QR決済などの利用状況を聞きました。キャッシュレス決済の利用率は意外なほど高かったものの、そのうちの一つのQR決済の利用には尻込みしている様子が見て取れました。

 キャッシュレス決済を利用したことがあると答えた人は224人(97.4%)にのぼり、ほとんどの人が何らかのサービスを使っていました。

 利用者はキャッシュレス決済の利点について、支払時にもたつかない▽財布が小銭で膨らまない▽ポイントがつくお得感──の三つを感じていました。「レジでもたもた現金を数える老人は恥ずかしい」といったコメントが散見され、普段の買い物など身近な場所でキャッシュレス決済が使えるようになり、「他人のふり見て我がふり直せ」といった思いで利用し始めるケースも多いようです。

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。