熊野英生の「けいざい新発見」

日本経済を救う?「副業」を普及させる二つの条件

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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 社員に対して、副業を解禁する会社が増えているという。厚生労働省は、モデル就業規則を2018年1月に見直し、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と、副業を容認する姿勢に変わった。働き方改革の一環である。

正社員で副業をしている人は2%

 実際に副業を行っている人は、全国で267.8万人だという(総務省「就業構造基本調査」<17年>)。ただ、その内訳まで調べると、正社員で副業を行っているのは68.0万人(非正規と個人事業主などが199.8万人)。正社員の中で副業をしている人の比率は2.0%とごくわずかだ。まだ、身近でサラリーマンが副業を始めているとは言えない。

 次に、副業を通じてどのくらいの稼ぎが得られるのか。パーソル総合研究所が18年10月に実施した「副業の実態・意識調査」によると、副業による平均月収は6.82万円である(過去3年以内に副業経験あり、人数1082人)。分布でみると、平均月収は1万円以上~10万円未満が78.7%を占める。月15万円以上を稼ぐ人は8.9%と少ない。

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。