毎年発表される路線価のニュースで、「東京・銀座の“鳩居堂前”が日本一高い」という話題を耳にしたことがある人は多いだろう。令和初となった今年の路線価は鳩居堂前が1平方メートル4560万円で、34年連続で日本一である。ハガキ1枚分の土地が約67万5000円になる日本一高い土地で鳩居堂が商うのは、それほど単価の高くない和文具や書画用品、香などだ。代々この地で営業しているからこそ成り立つともいえる。
ただ、鳩居堂はそうしたことで話題になるのは不本意に違いない。鳩居堂は創業350年を超える老舗で、宮内省御用達も務めた日本を代表する和文具商だからだ。
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森岡浩
姓氏研究家
1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。
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