
あるテレビ局の女性アナウンサーは看板番組に出演して活躍していたが、芸能人とのスキャンダル事件を起こしてしまった。そのことで週刊誌にたたかれ、社内からも冷たい視線を浴びる日が続いた。だが、ある先輩女性アナウンサーだけは、そのスキャンダルがあった後も彼女に優しく接してくれたという。彼女は、周りは敵ばかりだが、その先輩だけは信頼して本音で話すことができると感じていた。
しかし結局、彼女は看板番組から下ろされてしまうことになった。その後、人づてに聞いた話が彼女を驚愕(きょうがく)させる。社内で彼女のことを一番悪く言っていたのは、誰あろう、その先輩だったというのだ。しかも、彼女が先輩に話していた内容が、かなり脚色されてプロデューサーたちに伝えられていた。
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片田珠美
精神科医
広島県生まれ。大阪大学医学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学精神分析学部で学ぶ。精神科医として臨床に携わり、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から研究している。「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)、「高学歴モンスター」(小学館新書)など著書多数。
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