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「米国市民ですか?」国勢調査の質問でなぜ“政局”に

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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 国勢調査に、ある質問を加えるかどうかを巡る「政局」がひとまず落ち着いた。「あなたは米国市民ですか」。米連邦最高裁は6月27日、米政府の市民権の質問追加の主張は適当ではないとの判断を下した。

 トランプ米大統領は反発し「大統領令で追加する」といったん表明したが、政府内に異論が多く、7月11日に質問追加を断念。代替案として、市民権を持たない居住者らのデータを商務省に提出することなどを政府機関に求める大統領令に署名した。

 なぜ、国勢調査の質問が「政局」に関わるかについては、調査と選挙制度を説明する必要がある。米国には日本のような住民登録の制度はない。商務省の国勢調査局が10年に1度、調査を行う。これが人口の基準となり、各州への下院議員の議席(定数435)が配分されてきた。

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。