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ある日態度が豹変“かまってちゃん”女性部下への対応

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
 
 

 今回は、ある課長が、部下の社員の行動に困っているというお話をします。

 加納さん(仮名、男性40代前半)は、PR会社の法人営業部2課の課長です。課には8人のメンバーがいて、その中の1人が1年前に転職してきたAさん(女性、20代後半)です。

仕事熱心に見えたが……

 Aさんは入社当初から積極的に周りに話しかけ、分からないことや困ったことがあればすぐに課長や同僚に相談し、仕事に対して意欲的に取り組んでいるようでした。加納さんは、もともと面倒見の良い性格で、Aさんから「課長だから相談できるんです」と言って頼られるので、「自分がなんとかしてあげなければ」と思っていたそうです。

 Aさんが1人で担当企業を持つようになってから、加納さんはAさんから「顧客の男性担当者から執拗(しつよう)に食事に誘われて困っています」と相談されました。そこで男性の先輩をAさんに同行させたところ、むしろAさんが食事に誘われるよう“けしかけて”いるようだという報告を受けました。しかし、問題のデリケートさゆえにAさんを注意することはせず、担当を替えることにしました。

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産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。