経済記者「一線リポート」

G7宣言が「わずか紙1枚」になった裏にトランプ氏

大久保渉・毎日新聞経済部記者
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G7サミット閉会後の記者会見に臨むマクロン仏大統領(右)とトランプ米大統領=フランス南西部ビアリッツで8月26日、AP
G7サミット閉会後の記者会見に臨むマクロン仏大統領(右)とトランプ米大統領=フランス南西部ビアリッツで8月26日、AP

 トランプ米大統領に世界が振り回されている。フランス南西部ビアリッツで8月24~26日に開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、7カ国の合意が必要な「首脳宣言」がわずか1枚という異例の短さとなり、トランプ氏の嫌う反保護主義や地球温暖化対策など重要課題については触れられなかった。

 G7は人権尊重や自由貿易、持続可能な経済成長などの基本的価値観を共有し、戦後国際社会をリードしてきた。「きれいごとばかりのG7に存在意義はない」「大国となった中国やロシア抜きに議論は進まない」――との意見もあるのは事実だ。

 だが、少数民族への弾圧や力による領土変更を許し、政権を批判するメディアや弁護士らを平気で拘束する国家と安易に同じ土俵に乗って良いのか。G7は現状の枠組みを守り、共有してきた価値観を世界に発信し続けるべきだ。

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大久保渉

毎日新聞経済部記者

 1979年、ブラジル生まれ。2004年、京都大学総合人間学部卒、毎日新聞社入社。山形支局を経て09年から東京本社経済部。自動車などの民間企業、日銀、証券業界、金融庁、経済産業省、財務省を担当。15年から2年間は政治部で自民党などを担当した。19年5月から日銀、証券、金融庁を束ねる金融グループのキャップ。