経済記者「一線リポート」

これで地元同意得られる?東電の柏崎刈羽廃炉方針

土屋渓・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長(左)に説明する東電の小早川智明社長(中央)=新潟県柏崎市の柏崎市役所で8月26日、井口彩撮影
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長(左)に説明する東電の小早川智明社長(中央)=新潟県柏崎市の柏崎市役所で8月26日、井口彩撮影

 東京電力ホールディングス(HD)が8月26日、柏崎刈羽原発1~5号機(新潟県)の一部廃炉を検討する方針を初めて表明したが、わかりにくい内容だった。東電は柏崎刈羽の再稼働を経営再建の柱と位置付けており、廃炉の具体的な時期や基数は示さず、肝心の確約を避けたからだ。

 今回の方針表明は、再稼働の条件として一部の廃炉を求める地元の意向に応えた形だ。しかし、国が将来にわたって原発を活用する方針を堅持する中、東電は原発頼みの経営姿勢を変えていない。これで安全を願う地元住民らの納得が得られるのだろうか。

 柏崎刈羽原発は新潟県中越沖地震と福島の原発事故を経て、2012年3月までに1~7号機すべてが運転を停止した。6、7号機は17年に国の安全審査に合格したが、再稼働には地元の同意を得る必要がある。原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は再稼働の条件として1~5号機いずれかの廃炉計画を2年以内に提出するよう東電側に求めていた。

 東電の小早川智明社長は8月26日、柏崎市を訪れ、桜井市長に「6、7号機が再稼働した後5年以内に、1基以上で廃炉も想定したステップを踏んでいく」と回答。記者団に「現時点では最大限の回答だ」と語った。しかし、いつ、どの基を廃炉にするかは示さず、中身は乏しかった。

この記事は有料記事です。

残り931文字(全文1471文字)

土屋渓

毎日新聞経済部記者

 1977年、ドバイ生まれ。2002年早稲田大法学部卒、毎日新聞社入社。水戸 支局、東京本社学芸部などを経て14年から経済部。証券業界、日銀を担当。16~17年 は大阪本社経済部で電機メーカーなどを取材。18年に東京経済部に戻り、経産省など を担当。20年4月から製造業、商社・流通、重工業、財界などを取材するグループの キャップ。