
混沌(こんとん)とする世界経済をテーマとする金子勝・立教大学特任教授へのインタビューは「日本の将来」に話が及んだ。金子氏は地方銀行の破綻に懸念を表明したほか、「日本はエネルギーや医療・福祉などでイノベーション(技術革新)を起こすべきだ」と主張した。【聞き手は経済プレミア編集長・川口雅浩】
金子勝・立教大特任教授に聞く(2)
――東京オリンピックを境に経済の潮目が変わるのでしょうか。
◆金子勝さん オリンピックが終わったら、商業用ビルは訪日外国人旅行者の需要が減るので、不動産の市況が悪くなるだろう。これまで大都市圏の商業地を中心に地価が上がり、地方都市にも波及してきたが、需要が途切れてしまうと、不動産に貸し込んだ地方銀行の破綻が起きかねない。
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川口雅浩
毎日新聞経済プレミア編集長
1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部