
8月30日、中国で一本の映画が封切られた。61歳の香港スター、梁家輝が演じる主人公は夜間だけ営業する小さな食堂を営む。そこに集まる人々と、主人が作る料理が織りなす物語がつづられる。タイトルは「深夜食堂」。同名の日本のヒット漫画が原作だ。
しかし、映画の評判はあまり高くない。観客の投稿サイトでは、5段階評価のうち中間の「三つ星評価」がほとんどだ。日本原作に反感が広がったわけではない。むしろ逆だ。中国では日本で作られた「深夜食堂」のドラマ版、映画版が大ヒットし、投稿サイトでも高い評価を受けている。
公開された中国版は「オリジナルの日本版には遠く及ばない」というわけだ。なぜ、中国でこれほど「深夜食堂」がヒットしたのか。
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赤間清広
毎日新聞経済部記者
1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。