
今回は、自分は「発達障害」ではないかと悩んでいる入社2年目の社員の事例についてお話します。
菊地さん(仮名、男性20代後半)は、IT企業のシステム開発部に所属しています。同部は15人程度で、システム開発や製品のアフターフォローをしています。
菊地さんは、一流大学の電子工学系の大学院を出た社員です。システム開発の仕事は、頭を使って黙々と作業をすることが得意な菊地さんに合っていて、会社生活は充実していました。
入社2年目になると開発の担当箇所も多くなり、会議での発言やプレゼンテーションの機会も増えていきました。しかし、菊地さんにとってこの状況は歓迎すべきものではありませんでした。菊地さんは周囲の空気を読むことが苦手で、社の内外を問わず知らないうちに相手をいら立たせてしまうことが度々あったからです。
この記事は有料記事です。
残り1583文字(全文1935文字)
投稿にはログインが必要です。
舟木彩乃
産業心理コンサルタント・カウンセラー
筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談に対応。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。