ニッポン金融ウラの裏

証券会社が気にかける「日経リンク債」と株価との関係

浪川攻・金融ジャーナリスト
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東京証券取引所内で2018年10月9日、和田大典撮影
東京証券取引所内で2018年10月9日、和田大典撮影

 米中貿易摩擦の緩和期待などから株価が上昇に転じてきている。久しぶりに証券業界にも活気がよみがえりつつある。なかでも、一部の証券会社は、日経平均株価の動きに熱い視線を向けている。それは、過去に販売した「日経平均リンク債」と呼ばれる投資商品の償還と密接な関係があるからだ。

 日経平均リンク債は債券の一種だ。債券は安定償還が一般的だが、この商品はそうではない。オプションや複雑な条項を組み込み、日経平均株価の動きで利率や償還金額が大きく変動するハイリスク・ハイリターン商品だ。

 この商品は、日経平均の株価水準があらかじめ定められていて、その水準を上下することを「ノックイン」「ノックアウト」と呼ぶ。「ノックイン」と「ノックアウト」の状況がどうなるかで高い利回りが得られたり、元本が大きく失われたりする。ときには元本がゼロになることもある。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。