
米軍の中には、サイバー戦を担当している「サイバー軍」と呼ばれる組織が存在する。増え続ける外国からのサイバー攻撃の脅威から米軍を守り、対抗するため、2009年に設立された。米東海岸のメリーランド州に本部を置き、17年時点で6000人以上がサイバー軍で働いている。現在の司令官は、日系3世のポール・ナカソネ陸軍大将だ。
サイバー軍がどのような活動をしているのか、海外から受けているサイバー攻撃にどのように反撃しているのかは、外部に明かされることはまれだ。対処の方法が外部に漏れれば、攻撃者に知られ、対策を取られる可能性があるからだ。
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松原実穂子
NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。