経済記者「一線リポート」

「口先緩和」で米に対抗 持ち駒なくなった日銀の末路

大久保渉・毎日新聞経済部記者
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金融政策決定会合後の記者会見で質問に答える黒田東彦日銀総裁=東京都中央区で7月30日、尾籠章裕撮影
金融政策決定会合後の記者会見で質問に答える黒田東彦日銀総裁=東京都中央区で7月30日、尾籠章裕撮影

 日銀が苦肉の「口先緩和」を連発している。9月の金融政策決定会合では、前回7月の会合に続き緩和姿勢を強調する文言を「当面の金融政策」の決定文に加え、日銀の手詰まりを見透かそうとする市場をけん制した。日銀は数少ない追加緩和の「実弾」を温存しつつ、輸出産業に打撃となる円高食い止めに躍起になっている。

 だが、米中貿易戦争による世界経済の先行き懸念や米欧の中央銀行による金融緩和など円高圧力は残ったままだ。口先緩和がいつまで通用するかは心もとない。日銀は「緩和余地はいくらでもある」(幹部)と強気を装うが、マイナス金利の副作用などを考えれば、政策余地は限られる。

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大久保渉

毎日新聞経済部記者

 1979年、ブラジル生まれ。2004年、京都大学総合人間学部卒、毎日新聞社入社。山形支局を経て09年から東京本社経済部。自動車などの民間企業、日銀、証券業界、金融庁、経済産業省、財務省を担当。15年から2年間は政治部で自民党などを担当した。19年5月から日銀、証券、金融庁を束ねる金融グループのキャップ。