藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

シンガポール「ウビン島」自転車で楽しむユルい時間

藻谷浩介・地域エコノミスト
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シンガポールの秘境ウビン島をサイクリングすると野生のイノシシに出合える(写真は筆者撮影)
シンガポールの秘境ウビン島をサイクリングすると野生のイノシシに出合える(写真は筆者撮影)

 シンガポール島の周囲には、たくさんの小島が浮かんでいる。その中でも簡単に行けて、サイクリングで自然探検を楽しめるのが「ウビン島」だ。シンガポール島側のチャンギビレッジと合わせて、手近なアウトドア体験の場となっている。チャンギ国際空港にも近いのにあまり知られていない、その魅力とは?

 シンガポールの空の玄関口はチャンギ国際空港だ。四つの巨大ターミナルが24時間稼働する国際ハブ空港だが、世界の他の空港にはない、本当にここだけの、何ともゆったりとした空気が流れている。内装が高級ホテルのようで、アナウンスや売り子の呼び声、BGMなどの音が耳に入らないことも大きいだろう。しかし、そこからタクシーで15分ほどの、同じくチャンギと名の付くチャンギビレッジに流れる空気のユルさは、空港の比ではない。

 チャンギビレッジは、元々はマレー系住民の漁村だったと思われるが、現在はビレッジホテルチャンギを中心とした地元の人向けのリゾート地区である。地下鉄の駅からは遠いが、バスは都心から2系統が頻繁に出ている。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。