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全然高速でない「新潟BRT」市民の評判が散々な理由

中村智彦・神戸国際大学教授
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新潟市が導入した連節バス=2019年8月、中村智彦撮影
新潟市が導入した連節バス=2019年8月、中村智彦撮影

 全国各地で連節バスを用いたバス高速輸送システム(BRT)の導入事例が増えている。新潟市もその一つで2015年に導入し、段階的に整備を進める予定だが、市民からの評判がどうにもよくない。実際に訪ねてみると多くの人が不満を口にしていた。新潟市では、BRT導入に伴うバス路線の変更で利用者が乗り換えを強いられたり、商業地の集客に影響が出たりしている。

 新潟市内の60代のタクシー運転手は「新潟にでかい連節バスはいらない。交差点で曲がる時に他の車を邪魔している。満員で走っているのも見たことがない」と言う。連節バスは、2連以上の車体をほろでつなぐため全長が18メートル以上になる。BRTは専用道路や乗り場を設けてバスを運行するが、新潟市は連節バスの導入を先行し、専用道路などの整備が後回しになっている。

 新潟市のBRTは「万代(ばんだい)橋ライン」と呼ばれる。JR新潟駅駅前地区から北西に約1キロ離れた万代シテイバスセンターのある商業集積地の万代地区を通り、古くから中心市街地だった古町(ふるまち)地区で西に方向を変え、市役所前を経由し、イオン新潟青山店のある青山までを主に結ぶ約7キロの1路線。平日の通勤時間帯は3~5分間隔で運行し、JR新潟駅や市役所前、青山などが、郊外を結ぶ他の路線バスの結節点(…

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中村智彦

神戸国際大学教授

1964年、東京都生まれ。88年、上智大学文学部卒業。96年、名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。外資系航空会社、シンクタンクで勤務。大阪府立産業開発研究所、日本福祉大学経済学部助教授を経て、現職。専門は中小企業論と地域経済論。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興のプロジェクトに数多く参画し、TBS系「坂上&指原のつぶれない店」にも出演。