
かんぽ生命の不正な保険販売の発覚をきっかけとして、日本郵政グループのお粗末な危機管理が浮き彫りになっている。保険販売の無軌道ぶりもさることながら、長門正貢・日本郵政社長、植平光彦・かんぽ生命社長ら経営陣の対応が「無責任」としか思えないのだ。
日本郵政グループは9月30日に記者会見を開き、かんぽ生命の契約調査の中間報告を公表した。
その席上、「契約者15万6000人を対象に調査票を発送した」と説明した。そして、「このうち6万8020件の保険契約について、契約時の状況などを確認できた。そのうち6327件について、法令違反や社内ルール違反の可能性がある」と明らかにした。不正を疑わせる契約が多数見つかったということだ。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。