
英国ロンドンを「漢字」が席巻している。日本のクールな文字として、若者を中心にファッションのロゴや入れ墨(タトゥー)などにお気に入りの漢字を使うケースが目立つ。ただ、漢字の意味を理解していないのか、よく見ると明らかな誤用もあり、いっぷう変わったクールジャパンになっている。
「気」。ロンドン郊外のスーパーでレジ待ちをしていたタラ・クロウィさん(30)の右肩には黒い文字で漢字のタトゥーが入っていた。国語辞典によると、「気」は「心の状態や働き」を意味する。だが、「魂のエネルギーを開放することだよ」とタラさん。どうやら鳥山明の人気マンガ「ドラゴンボール」に登場する「かめはめ波」のようなエネルギー砲をイメージして入れたようだ。
一番の人気は「愛」
若者の約3割がタトゥーをしているといわれるロンドン。中心部にある人気のタトゥーショップに行くと、漢字や浮世絵をイメージしたサンプルが壁いっぱいに並ん…
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三沢耕平
毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)
1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。19年10月から経済部編集委員。