
東京都内在住のIさん(58)は中小企業の2代目社長だ。父親(87)が創立した製造販売会社を引き継ぎ、業績を順調に伸ばしてきた。ただ、父親は自社株の大部分を所有しており、現在も会長として毎日出社している。父親にはいまだに頭が上がらない。
国税から指摘された「公私混同」
Iさんの目下の悩みは、自社株の評価額が相当高くなっていることだ。
非上場会社の株式の評価額は、国税庁の通達に基づき、純資産額や類似業種との比較などで決まる。経営状況が良ければ、おのずと評価額は高くなり、その結果、父親の相続財産を押し上げている。相続財産に占める自社株の評価額は8割以上。父親に万一のことがあれば、相続税の負担は大きい。
この記事は有料記事です。
残り1282文字(全文1583文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ