藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

シンガポールのマングローブ抜けユーラシア最南端へ

藻谷浩介・地域エコノミスト
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マングローブの生い茂るスンゲイブロウ沼地保全地区(写真は筆者撮影)
マングローブの生い茂るスンゲイブロウ沼地保全地区(写真は筆者撮影)

 シンガポール島の北半分を取り囲むのが、幅1~2キロのジョホール水道だ。まるで川や運河のようにも見える波静かな海で、その対岸はユーラシア大陸の南端のマレー半島である。両岸とも都市開発が進んでいるが、マングローブの森に覆われていたであろうかつての姿を残すのが「スンゲイブロウ沼地保全地区」だ。

 島の南東端にある都心から、北西端にあるスンゲイブロウ地区までは、30キロ余り。高速道路経由で30分もかからないが、都心で流しのタクシーをつかまえるとたいていの場合、「遠すぎるから行かない」と断られる。タクシー乗り場で客待ちしているのをつかまえるか、地下鉄南北線クランジ駅前から頻繁に出ている925系統バスで向かおう。

 ちなみに「スンゲイ」はマレー語で「川」、「ブロウ」は「竹」で、竹の生えた河口という意味になる。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。