食の情報ウソ・ホント

遺伝子組み換えでがんに?仏教授の“おさわがせ”実験

小島正美・「食生活ジャーナリストの会」代表
  • 文字
  • 印刷
 
 

 「遺伝子組み換え(GM)作物を食べるとがんになる」。2012年、フランスの学者がこんな動物実験結果を発表し、欧州メディアは大々的に伝えた。それから7年。欧州連合(EU)の研究プロジェクトがこの実験を明確に否定する反証を示した。何があったのか。経緯を追ってみよう。

衝撃的なラットの写真

 12年9月、フランスのカーン大学のジル・セラリーニ教授(分子生物学)が「GMトウモロコシを2年間、ラットに与えたら、乳がんや皮膚がんなどが多発した」とする実験結果を学術誌に発表した。このGMトウモロコシは欧米や日本で安全性が認められているものだ。ラットの胸やあご付近が大きく膨らんだがんの写真は衝撃的で、メディアでは大騒ぎになった。

 実験によると、1群あたり10匹のラットに、それぞれGMトウモロコシを11%、22%、33%の割合で…

この記事は有料記事です。

残り1441文字(全文1800文字)

小島正美

「食生活ジャーナリストの会」代表

 1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。