経済記者「一線リポート」

「GAFAに国際課税」日本が巻き込まれる税収争奪戦

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
  • 文字
  • 印刷
グーグルなど多国籍企業への国際課税ルールの行方が注目される
グーグルなど多国籍企業への国際課税ルールの行方が注目される

 経済協力開発機構(OECD)が、「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム)をはじめとする多国籍企業に対する新たな国際課税ルール案を公表した。世界中で利益を稼ぐ多国籍企業について、先進国など企業の本拠地国だけでなく、市場となる国(市場国)にも課税権を与えるのが特徴だ。

 各国が税収の奪い合いという利害を超えて最終合意できるかは、「第2の柱」と呼ばれる、もう一つの新ルールの行方がカギを握りそうだ。

 新ルールの検討が進んでいるのは、製造業を主に想定した現行ルールが時代遅れになったためだ。現行ルールでは、企業の本社や工場など物理的な拠点が置かれた国が課税権を持つが、GAFAなどのデジタル企業は、物理的な拠点がなくても各国でビジネス展開でき、実際に巨額の利益を上げるようになった。

130カ国が新ルールを検討

 先進国は高齢化に伴う社会保障費の増大が確実で、発展途上国もインフラ・教育投資などに多大な資金が必要だ。こうした中、世界中で利益を稼ぐ多国籍企業に十分に課税できない事態は容認できない。

 このため、OECDの下に世界約130カ国が集結…

この記事は有料記事です。

残り876文字(全文1356文字)

清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。