
アルゼンチン・ウシュアイア編(3)
“地球最南端の鉄道”の沿線に広がっていたのは、100年近く前に囚人によって切られた木の切り株が、腐りもせず、こけにも草にも覆われず、若木に取って代わられることもなく、そのまま点々と散らばる草原だった。温暖な日本ではありえない光景に、この地に1万年近く前から生をつないできた先住民の暮らしはどんなものだったのか、思いをはせる。
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藻谷浩介
地域エコノミスト
1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。