藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

「ミラノ」首都ローマとは異なる街とハプスブルク家

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ミラノ中央駅に並ぶ特急列車。フェラーリの故郷だけのことはあるデザイン(写真は筆者撮影)
ミラノ中央駅に並ぶ特急列車。フェラーリの故郷だけのことはあるデザイン(写真は筆者撮影)

 ミラノ。言わずと知れた、イタリアンファッションの都。サッカーの名門、ACミランの本拠地。2015年の万博開催でも注目され、日本からも多くの観光客が訪れる……。というような話には何の関係もなく、乗り継ぎの都合でこの町に立ち寄った筆者。これまで理解していなかったこの町の近代史とは。

 2017年5月初旬、木曜日の午後8時前。筆者はミラノ中央駅に降り立った。50キロ弱離れたマルペンサ空港から、連絡特急で1時間弱。構内には、流線型のデザインの特急列車が何本も、赤を基調にした塗色で並んでいた。

 ミラノには、ドイツの諸都市と同様に、郊外列車と地下鉄の複雑なネットワークがあり、市電も健在だ。地下鉄が3路線しかない首都ローマに比べるとずっと便利で、失礼ながら「イタリアらしからぬ」という印象を受ける。しかし地下鉄に乗ると街並みが見られないので、筆者は日の落ち始めた街路を南の方向に歩いて行った。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。